障害年金の申請・請求代行のご相談なら、兵庫県神戸市の神戸元町労務管理サポート(社会保険労務士 角森洋子)が運営する、「障害年金申請相談室」へどうぞ。

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3つの受給要件

障害年金は3つの受給要件のすべてを満たしている場合に受給することができます。

 3つの要件に加えて、初診日の証明も必要とすることから、4つの要件ということもあります。

    1 制度加入要

    2 障害の程度が、障害認定日において一定の障害の状態にあること

    3 保険料納付要件

1 制度加入要件

障害の原因となった病気やケガの初診日(障害の原因となった病気やケガで初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)が、次のいずれかの間にあること。

○国民年金加入期間

○20歳前または60歳以上65歳未満の年金加入期間

 ただし、老齢基礎年金の繰上げ支給を受けている方を除く。

○厚生年金加入期間

共済年金加入中も、もちろん請求可能です。

2 障害の程度が、障害認定日(初診日から1年6ヶ月を経過した日)において、一定の障害の状態にあること

障害基礎年金(国民年金)の場合

 

障害の程度が障害等級表の1級または2級の状態になっていること

障害等級の例(障害等級表から)

1級

1両眼の矯正視力の和が0.04以下のもの 

2両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの

(省略)

5両下肢の機能に著しい障害を有するもの

(省略)

10 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの

(省略)

2級

両眼の矯正視力の和が0.05以上0.08以下のもの 

2両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの

(省略)

8一下肢の機能に著しい障害を有するもの

(省略)

16精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの

(省略)

 

厚生年金の場合(共済も同じです)

障害の程度が障害等級表の1級、2級または3級の状態になっていること

障害等級の例(障害等級表から)

1級障害基礎年金と同じ
2級障害基礎年金と同じ
3級

1両眼の視力が0.1以下に減じたもの

2両耳の聴力が40cm以上では通常の話し声を解することができない程度に減じたもの

(省略)

10一下肢をリスラン関節以上で失ったもの

(省略)

13精神または神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

(省略)

 

3 保険料納付要件

初診日の前日に、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。

知的障害などの20歳前障害については納付要件は問われません。

(1) 初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が2/3以上あること

(2)初診日が平成38年4月1日前であって、初診日に65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと 

〇 加入した直後に初診日がある場合

 初診日の直近の被保険者期間というものがありません。

 納付要件は直近に被保険者期間がある場合に問われるものであり、この場合は問われるべき納付要件がないため、納付要件を満たしていないということになりません。

そのため3分の2納付要件に該当し、受給権が発生します。

 

4 初診日について

初診日のいろいろ

初診日の証明について解説します

 

 初診日とは、「障害の原因となった傷病について初めて医師の診療を受けた日」をいいます。具体的には次に掲げる日をいいます。

1 同一傷病で転医した場合
  最初に診療を受けた医療機関での診療初日

2  健康診断で異常の所見が有り、療養の指示を受けた場合
  その健康診断受診日

3 傷病が一旦治癒して社会復帰した後に再発した場合
  原則として、傷病再発後に初めて診察を受けた日

4 障害の原因となった傷病の前にその傷病を引き起こした別傷病がある場合
  一番最初の傷病について初めて医師の診察を受けた日

 初診日は、障害年金の障害認定日を定める為の起算日となり、保険料納付要件が満たされているか否かを判断する基準日となります。

 診断書の作成医療機関と、初診日の医療機関が異なる場合は、初診の医療機関に「受診状況等証明書」を作成してもらわなければなりません。

  初診日を軽く考えてはいけません。

 初診日をお聞きするときに、「それより前の受診はありませんか。」と念を押します。「それ以前はありません。」あるいは、「5年以上前に1回だけ受診しましたが、その後症状がないので受診していません。」(この場合社会的治癒を主張できます。)などと言われます。ところが、後から、いくつも受診記録が出てきたり、1回だけどころか数回受診して、治ったのでもないのに自分で通院をやめてしまったということが判明することがあります。最悪の場合、新たに判明した初診日では納付要件をクリアできず、不支給となってしまうことがあります。

 記憶をよくたどってみてください。

初診日の証明

 

 初診日の証明は、初診日の医療機関で「受診状況等証明書」を作成してもらうことで証明します・

しかし、初診の医療機関が廃院、カルテの廃棄で受診状況等証明書を書いてもらえない場合には以下の方法で証明できれば初診日の証明となります。

1 2番目以降の医療機関の証明を取る。

 ①受診してきた医療機関を、たとえばA → Bクリニック → C → Dと明らかにする
 ②医療機関をA B C Dと順にあたり、あくまでA機関での初診日を証明してもらう
 ③カルテが処分済など、とれないときは「とれないと申し立て」をし、次の医療機関で
その病気の初診日証明( Aでの初診)がとれるか、現在の医療機関に到達するまでこれを繰り返す。


 並行して以下の資料の提出を行う(受診状況等証明書が添付できない申立書に添付する。)(例示。これ以外でも「診察券」「薬の袋」「当時の医師の私的な診察記録」「受診者の日記」など可能な限り挙証する。資料となるものがなくてもかまいません。
・健康保険の給付記録(政府管掌健康保険の場合は職権で社保が行うことに。)
・身体障害者手帳
・身体障害者手帳作成時の診断書
・交通事故証明書
。労災の事故証明書
・事業所の健康診断の記録
 ・患者に開示された医療情報サマリー(治療経過の要約)
 ・医療機関の外来、人院記録(カルテはないが、受診記録のみある場合)の証明

 ほとんどの場合この方法で初診日の証明ができています。

 しかし、1の方法で2番目以降の証明が取れない場合は以下の方法があります。

2 健康保険のレセプトを使う。 

個人情報の開示請求をして取り寄せます。

5年以後10年以内の情報の開示請求も、支部宛に行う。

・全国健康保険協会におけるレセプト情報の保存について

 ① 5年間、各支部で保存する

 ② 5年以後10年間は、本部で保存する

 ③ 10年以後は、原則、廃棄する

3 第三者証明を書いてもらう

 1,2の方法が使えない場合や、2人以上の第三者の証明書が20歳前初診を明らかできる書類として扱われます。「初診日に関する第三者からの申立書

第三者証明が認められた事例1

 小児糖尿病の初診日は小学校時代でしたが、カルテは廃棄されていました、患者データはありましたが、小学校時代のものはありませんでした。担任の先生(学校で病気の配慮をしていた)と同級生のお母さん(同じ病院に通院していてそこで出合うことがよくあった。)の申立書で初診日が認められました。

第三者証明が認められた事例2

 短大在学中に受診しましたが、10年以上前のことで廃院になっていました。指導教授と助教授が受診について覚えておられて、申立書を書いてくれて、初診日が認められました。

第三者証明が認められた事例3

 糖尿病で証明書が得られない場合、当時の主治医を探して(遠方に異動)、第三者証明をかいてもらった(医療関係者の場合は1名でよい。)

初診の証明について(2015年の改正)

初診日の証明の取扱いが少し緩和されました。厚生労働省通知

実際の取扱いが楽になったのかというとそうでもありません。例えば2番目の病院のカルテに「平成○年××病院受診」と記載されていれば、その年のどの時期をとっても国民年金3号被保険者で変わりはないのに、「平成○年春頃」とか季節まで特定しなければだめだといわれます。

 第三者の証明についても、例えば統合失調症で病院に行ったことを他人に知られたくないので誰にも言っていない、となると証明してくれる人は見つかりません。

20歳目に初診日がある場合

20 歳前に初診日がある方へ

初診日を証明する手続きを簡素化できます

 

次の(1)及び(2)を満たしている場合には、初診日を具体的に特定しなくとも、審

査の上、本人の申し立てた初診日が認められます。

(1) 2番目以降に受診した医療機関の受診日から、障害認定日が20 歳到達日以前で

あることが確認できる場合 ※以下の①又は②が該当します。

① 2番目以降に受診した医療機関の受診日が、18 歳6 カ月前である場合

障害認定日は原則として初診日から1年6カ月をすぎた日となるため、2番目以降の医

療機関の受診日が18 歳6カ月前にあることが必要です。

② 2番目以降に受診した医療機関の受診日が18 歳6 カ月~20 歳到達日以前にあ

り、20 歳到達日以前に、その障害の原因となった病気やけがが治った場合(症状

が固定した場合)

症状が固定した日が障害認定日となるため、2番目以降に受診した医療機関の受診日

が18 歳6カ月より後であってもかまいません。

(2) その受診日前に厚生年金の加入期間がない場合

「病歴・就労状況申立書」の記入も簡素化できます(令和2年10 月~)

20 歳前に初診日がある方のうち、以下の①・②に該当する場合は、「病歴・就労状況等

申立書」の病歴状況の記入を簡素化できます。

① 生来性の知的障害の場合は、特に大きな変化が生じた場合を中心に、出生時から現在ま

での状況を一括してまとめて記入することが可能です。

② 上記の初診日証明手続きの簡素化を行った場合は、発病から証明書発行医療機関(上記

例ではB病院)の受診日までの経過を一括してまとめて記入することが可能です。

※ なお、証明書発行医療機関(上記例ではB病院)の受診日以降の経過は、通常どおり、受診医

療機関等ごとに、各欄に記載を行うことが必要です。

(具体例)

初診が10 歳時のA 病院の場合でも、17 歳で受診したB 病院の証明がある場合、障害認定

日は20 歳到達日以前であることが確認できるため、A病院の証明は不要です。

(B 病院の受診前に厚生年金加入期間がない場合)

 

「病歴・就労状況申立書」の記入も簡素化できます(令和2年10 月~)

20 歳前に初診日がある方のうち、以下の①・②に該当する場合は、「病歴・就労状況等

申立書」の病歴状況の記入を簡素化できます。

① 生来性の知的障害の場合は、特に大きな変化が生じた場合を中心に、出生時から現在ま

での状況を一括してまとめて記入することが可能です。

② 上記の初診日証明手続きの簡素化を行った場合は、発病から証明書発行医療機関(上記

例ではB病院)の受診日までの経過を一括してまとめて記入することが可能です。

※ なお、証明書発行医療機関(上記例ではB病院)の受診日以降の経過は、通常どおり、受診医

療機関等ごとに、各欄に記載を行うことが必要です。

他にもいくつかの方法があります。順次紹介させていただきます。

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